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サム・グッドマンは井上尚弥とすれ違った男【9月27日アンダーカード】

井上尚弥とすれ違った男としてサム・グッドマンを紹介するアイキャッチ 選手情報

試合は終わりました。サム・グッドマンは西田凌佑に3対0の判定で勝ち、IBF世界スーパーバンタム級の暫定王者になりました。試合の流れは那須川天心vs井上拓真2の結果にまとめています。この下は、試合前に書いたグッドマンの紹介です。

暫定王者になったグッドマンと、井上尚弥・中谷潤人らの各団体の順位は、スーパーバンタム級の世界ランキングで見られます。

9月27日のPrime Video Boxing 16で西田凌佑と戦うのが、オーストラリアのサム・グッドマンです。日本での知名度は高くありません。ただしこの選手は2024年の暮れ、井上尚弥と世界戦を戦うはずでした。それも一度ではなく二度、リングに上がる直前まで進んでいます。二度とも自分の怪我で流れました。井上戦のファイトマネーを見込んで家を買い、返済に苦しんだ時期もあります。9月27日に西田を倒せば、その井上尚弥への道がもう一度つながる位置にいます。すれ違い続けた男の話をまとめました。

この記事で分かること
  • 2度流れた井上尚弥戦
  • リングに呼ばれたあの日
  • 家を買った後の誤算
  • 階級を上げて負けた訳
  • 9月27日の視聴方法

結論から言えば、9月27日の配信はAmazon Prime Videoの独占です。まずはグッドマンがこの舞台に立つ理由から見ていきます。

サム・グッドマンが戦う理由

9月27日の勝者が井上尚弥への挑戦順を得ることを示すバナー

9月27日の一戦は、IBF世界スーパーバンタム級の暫定王座決定戦です。正規王者は4団体を統一している井上尚弥で、その井上が2026年内にIBFの指名試合を行わないため、1位と2位で暫定の座を決めることになりました。IBF1位が西田凌佑、2位がサム・グッドマンです。勝ったほうが暫定王者となり、井上への挑戦順を手にします。グッドマンにとっては、一度は目の前まで来て消えた景色に戻る試合にあたります。

空位になったIBF暫定王座

暫定王座は、正規王者が長く試合をしないときに設けられる制度です。

井上尚弥は2026年5月2日に中谷潤人と戦い、12回3対0の判定で勝っています。この試合で4団体の王座を7度目の防衛としました。次の指名試合が2026年内に組めないためIBFが暫定王座の設置を決定し、1位と2位に対戦指令が出ました。

入札の結果、興行権は西田側が落札しています。だから会場は日本です。

相手は西田凌佑

西田凌佑は大阪の六島ボクシングジム所属で、30歳のサウスポーです。

戦績は12戦11勝1敗、KOは2つだけ。プロ9戦目でIBF世界バンタム級王座を獲得し、中谷潤人との統一戦で敗れて王座を失いました。その後スーパーバンタム級に上げて再起しています。

西田凌佑 サム・グッドマン
年齢 30歳 27歳
身長 170cm 169cm
戦績 12戦11勝2KO1敗 23戦22勝8KO1敗
構え サウスポー オーソドックス
所属 六島(日本) ノーリミット(豪州)

勝てば井上尚弥への道

暫定王者になると、正規王者との統一戦が組まれるのが通例です。

つまり9月27日の勝者は、井上尚弥との対戦順を手に入れます。グッドマンにとっては2度逃した相手にたどり着く最短の道であり、西田にとってはすでに持っている挑戦権をさらに確実にする一戦です。

どちらにとっても落とせない試合と言えます。

グッドマンをリングに呼んだ日

2024年5月にグッドマンが井上尚弥にリングへ呼ばれたことを示すバナー

グッドマンの名前が日本で一気に広まったのは、2024年5月6日の東京ドームでした。井上尚弥がルイス・ネリを6回TKOで下した直後、勝利者インタビューの終盤で井上がリングに呼び入れたのがグッドマンです。井上は「次戦は9月ごろ、隣にいるグッドマン選手と防衛戦をしたい」と自ら口にしました。グッドマンも「絶対にやりましょう」と応じています。ところがこの場面、じつは打ち合わせがありませんでした。

2024年5月6日の東京ドーム

当時のグッドマンは、IBFとWBOのスーパーバンタム級で1位にいました。

戦績は18戦全勝8KO。前年6月にライース・アリームを12回2対1の僅差判定で下してIBFの指名挑戦権を獲得していました。ただし試合はすべてオーストラリア国内で、日本での知名度はほとんどありません。

その選手が、日本一の大舞台にいきなり立ったわけです。

潜り込んだリングサイド

グッドマンは後にこの日の裏側を語っています。

渡されていたのは後方の席のチケットでした。メインイベントの前にリングサイドの空席へ自分で移動していたそうです。井上の試合をできるだけ近くで見たかったという理由でした。そこで試合後に手招きされ、あの場面になりました。

演出でも段取りでもなく、その場で起きたことでした。

9月の予定は誤解だった

問題はこの時点で、グッドマン側にすでに次戦が決まっていたことです。

7月10日にオーストラリアで前哨戦を組んでいました。井上は後に「試合前に聞いていた話と誤解がありまして、交渉して9月と勘違いしていました」と説明しています。井上自身が「僕が先走ってリングに上げちゃった」と認めた場面でした。

グッドマンが断ったわけではありません。二人の予定が、最初からずれていただけです。

2度流れたグッドマンの世界戦

サム・グッドマンの井上尚弥戦が2度中止になったことを示すバナー

それでも試合は決まりました。2024年10月24日に記者会見が開かれ、12月24日に有明アリーナで井上とグッドマンのタイトルマッチを行うと発表されます。グッドマンは合宿で井上と対戦経験のあるジェイソン・モロニーをスパーリングパートナーに呼び、準備を進めました。ところが来日直前の12月14日、公開スパーリングで左眼の上を切ります。ここから、二度の中止が始まりました。

12月24日から1月24日へ

負傷の連絡を受けて、主催者は興行そのものを1か月延期しました。

会場は有明アリーナのまま、試合日を2025年1月24日に変更しています。アンダーカードには武居由樹の防衛戦や佐々木尽の試合も組まれており、興行全体が動く判断でした。

この時点では、まだ実現するはずでした。

同じ場所を切って中止

ところが試合の2週間前、グッドマンはふたたび左眼の上をカットします。

2025年1月11日、同じ部位の再負傷によりグッドマン陣営が対戦を辞退しました。切ったのが目の上という位置だけに、試合中に開けば止血が難しく、続行不能になる危険があります。無理を通せる怪我ではありませんでした。

2度目は延期ではなく、中止でした。

代役に立ったキム・イェジュン

興行そのものは残りました。

大橋会長は代役の挑戦者を準備しており、WBOスーパーバンタム級11位のキム・イェジュンが井上に挑む形に変更されます。試合は2025年1月24日、井上が4回2分25秒でKO勝ちしました。

グッドマンの名前が消えた興行が、予定どおりの日に行われたことになります。

家を買ってしまった挑戦者

グッドマンが井上戦のファイトマネーを見込んで家を買ったことを示すバナー

2度の中止でグッドマンが失ったのは、試合だけではありませんでした。井上戦のファイトマネーは約100万ドル、日本円でおよそ1億5700万円と報じられています。グッドマンはこの収入を見込んでローンを組み、初めての自宅を購入していました。試合がなくなれば、その金は入りません。豪州メディアの取材に対し、返済に苦しんでいることを本人が認めています。

1億5700万円の皮算用

そもそもグッドマンは、金のために戦っているとは言っていませんでした。

2024年5月の記者会見では、前哨戦を挟むことで井上戦の高額なファイトマネーを失うリスクを問われ、「10歳のときに億万長者になるためにこのスポーツを始めたわけじゃない」と答えています。世界タイトルのために最善の準備をする、というのが理由でした。

その慎重さが、結果として一度も試合にたどり着かせませんでした。

引退を考えた時期

2度目の中止のあと、グッドマンは長い休養に入ります。

豪州の報道によれば、ショックから一度は引退を考えたと伝えられました。ローンの返済はスポンサーの支援でしのいだとされています。無敗のまま、リングに上がれない時間だけが過ぎました。

復帰したのは2025年5月14日、地元でのノンタイトル戦でした。

先に決まっていった井上の相手

グッドマンが休んでいる間も、井上尚弥の予定は動いていました。

2025年5月4日のラスベガス戦は、当初WBC1位のアラン・ピカソと交渉が進んでいました。ところがピカソが挑戦を辞退し、ラモン・カルデナスが代役に。9月14日には、WBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフとの統一戦が組まれます。

試合から遠ざかったのは、グッドマンだけではありませんでした。そのピカソとの一戦は、2025年12月27日にリヤドで実現しています。

1位の座を明け渡す

長期の欠場は、順位にも響きます。

IBFとWBOで1位につけていた位置を、グッドマンは失いました。試合をしなければ順位は下がります。一度も負けていないのに、挑戦権だけが手からこぼれた形でした。

ここからもう一度、順位を上げ直すことになります。

遠回りして戻ったグッドマン

グッドマンがフェザー級で敗れスーパーバンタムに戻ったことを示すバナー

復帰したグッドマンが選んだのは、スーパーバンタム級ではありませんでした。2025年8月16日、階級を上げてWBA世界フェザー級王者ニック・ボールに挑戦します。結果は12回0対3の判定負け。プロ21戦目で初めての黒星でした。その後スーパーバンタム級に戻り、地元で1勝を挟んで、2026年4月にIBFの2位決定戦を制しています。9月27日はその先にある試合です。

フェザー級で喫した初黒星

ニック・ボールはイギリスの王者で、当時の評価は高いものでした。

グッドマンは1階級上げてこの王座に挑み、判定で完敗します。23戦のキャリアで唯一の敗戦がこのボール戦です。井上尚弥がフェザー級に上げた場合の対戦相手として名前が挙がっていたのも、このボールでした。

先回りした形の挑戦は、実りませんでした。

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スーパーバンタムへ戻る

敗戦のあと、グッドマンは元の階級に戻ります。

2025年12月17日に地元オーストラリアでタイラー・ブリザードに10回判定勝ち。この試合で連敗を止め、ランキングを上げ直す足場をつくりました。派手さはありませんが、必要な1勝でした。

ここから一気に世界戦線へ戻ります。

IBF2位決定戦を制す

2026年4月5日、アルゼンチンのホドリゴ・ファビアン・ルイスと対戦します。

IBF世界スーパーバンタム級の2位決定戦で、グッドマンは12回3対0の判定で勝ち、2位の座を取り戻しました。この勝利があったから、9月27日の暫定王座決定戦に呼ばれています。

消えたWBC暫定王座戦

じつはこの直後、もう一度すれ違いが起きています。

2026年6月上旬、グッドマンが7月26日にオーストラリアでラモン・カルデナスとWBC世界スーパーバンタム級の暫定王座決定戦を行うと発表されました。ところが数日後、諸般の事情により中止。カルデナスは2025年5月に井上尚弥と戦って8回TKOで敗れた選手です。

この話が消えたあと、6月14日にIBFが西田との暫定王座決定戦を指令しました。

日付 相手 結果
2024年7月10日 チャイノイ・ウォラウット 12回判定勝ち
2024年12月24日 井上尚弥(予定) 負傷で延期
2025年1月24日 井上尚弥(予定) 再負傷で中止
2025年5月14日 セサール・バカ・エスピノーサ 12回判定勝ち
2025年8月16日 ニック・ボール 12回判定負け
2025年12月17日 タイラー・ブリザード 10回判定勝ち
2026年4月5日 ホドリゴ・ファビアン・ルイス 12回判定勝ち
2026年7月26日 ラモン・カルデナス(予定) 発表数日後に中止
2026年9月27日 西田凌佑 暫定王座決定戦

よくある質問

サム・グッドマンに関するよくある質問のバナー

サム・グッドマンについて、検索の多い疑問をまとめます。最も多いのは井上尚弥との試合がなぜ流れたのかという質問ですが、これは2度とも本人の左眼の上の怪我が原因でした。ほかにも日本人選手との対戦歴や、9月27日の視聴方法など5つを選びました。試合の日程や条件は変わることがありますので、当日は公式の案内もあわせてご確認ください。

サム・グッドマンはどんな選手ですか?

オーストラリアのニューサウスウェールズ州出身、27歳のオーソドックスです。戦績は23戦22勝8KO1敗で、ニックネームは「豪州の野獣」。ただし実際は速いジャブと手数で組み立てるアウトボクサーで、KO率は高くありません。

井上尚弥との試合はなぜ中止になったのですか?

グッドマンが左眼の上を2度切ったためです。2024年12月14日の負傷で試合が1か月延期され、2025年1月11日に同じ部位を再び切って辞退しました。井上は代役のキム・イェジュンと戦っています。

グッドマンは井上尚弥と戦えるのですか?

9月27日に勝てば可能性が出ます。暫定王者は正規王者との統一戦が組まれるのが通例だからです。ただし井上側の予定次第で、時期は読めません。

日本人選手と戦ったことはありますか?

あります。2022年5月11日に富施郁哉と対戦し、10回3対0の判定勝ちを収めました。IBFインターコンチネンタル王座決定戦での対戦です。

9月27日はどこで見られますか?

Amazon Prime Videoの独占配信です。プライム会員なら追加料金なしで視聴できます。地上波での放送はありません。

まとめ

9月27日がグッドマンにとって再挑戦の入口であることをまとめたバナー

サム・グッドマンは、井上尚弥と二度すれ違った選手です。2024年5月の東京ドームで井上自身にリングへ呼ばれながら、その試合は実現しませんでした。12月24日の予定が1月24日に延び、それも本人の左眼の負傷で消えています。ファイトマネーを見込んで買った家のローンが残り、一度は引退も考えたと報じられました。9月27日は、そこから戻ってきた男の試合です。

階級を上げてニック・ボールに敗れ、また戻って2位決定戦を制し、ようやくたどり着いたのが西田凌佑との暫定王座決定戦でした。西田も井上への挑戦権を持つ選手です。勝ったほうが井上尚弥に近づき、負けたほうはまた順番を待つことになります。

配信はAmazon Prime Videoの独占です。プライム会員であれば追加の料金はかかりません。

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