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坪井智也は元アマチュア最強【9月27日アンダーカードで世界戦】

元アマチュア最強としてプロ5戦目で世界に挑む坪井智也のアイキャッチ 選手情報

試合は終わりました。坪井智也はリカルド・マラジカに1対2の判定で敗れ、デビュー5戦目での世界王座獲得はなりませんでした。試合の流れは那須川天心vs井上拓真2の結果にまとめています。この下は、試合前に書いた坪井の紹介です。

9月27日のPrime Video Boxing 16で、坪井智也がWBC世界スーパーフライ級の王座決定戦に臨みます。プロでまだ4戦しかしていない選手です。それでも記録ずくめで、勝てばデビュー5戦目での戴冠となり、日本最速タイに並びます。アマチュアでは日本人として初めて世界選手権を制し、帝拳ジムの本田明彦会長に「うちにきたアマチュア出身の中で最強」と言わせました。ただし五輪には3大会続けて届いていません。相手は南アフリカのリカルド・マラジカ、19戦すべてを母国で戦ってきた「マジックマン」です。

この記事で分かること
  • 5戦目で世界に挑む理由
  • アマチュア時代の実績
  • 五輪に届かなかった訳
  • プロ4戦の記録ずくめ
  • マラジカという相手

結論から言えば、9月27日の配信はAmazon Prime Videoの独占です。まずは坪井が5戦目で世界に挑む理由から見ていきます。

坪井智也が5戦目で世界戦

坪井智也がプロ5戦目で世界王座に挑むことを示すバナー

9月27日の一戦は、WBC世界スーパーフライ級の王座決定戦です。王者だったジェシー・ロドリゲスがバンタム級へ転向して王座を返上したため、空位になりました。そこにWBC1位の坪井智也と2位のリカルド・マラジカが指名されています。坪井にとってはプロ5戦目、デビューからわずか1年半での世界挑戦です。会場はTOYOTA ARENA TOKYO、井上拓真対那須川天心の前に組まれています。

空位になったWBC王座

ジェシー・ロドリゲスは、スーパーフライ級で長く王座を保持していた選手です。

そのロドリゲスがバンタム級へ階級を上げるためにベルトを返上し、王座が空きました。空位になった場合は上位ランカー同士で決定戦を行うのが通例で、1位と2位に指令が出ています。

坪井はプロ4戦で1位まで上がってきました。

勝てば日本最速タイ記録

この試合には記録がかかっています。

坪井が勝てばプロ5戦目での世界王座獲得となり、田中恒成と吉良大弥に並ぶ日本最速タイ記録です。日本のボクシング史で5戦目より早く世界を獲った選手はいません。

アマチュアの実績があるからこそ組める日程でした。

2人の戦績と体格

数字で並べると、坪井の4戦に対してマラジカは19戦という差が見えてきます。

坪井智也 リカルド・マラジカ
年齢 30歳 28歳
戦績 4戦3勝2KO1無効試合 19戦17勝12KO2敗
KO率 3勝中2KO 17勝中12KO
構え オーソドックス オーソドックス
所属 帝拳(日本) 南アフリカ
WBC 1位 2位

アマチュア時代の坪井智也

坪井智也がアマチュアで全日本選手権を4連覇したことを示すバナー

坪井智也は1996年3月25日生まれの30歳、静岡県浜松市の出身です。ボクシングを始める前は極真空手をやっており、少年の部で全国3位まで行っています。ボクシングは小学6年生から。浜松工業高校ではインターハイ3位、国体準優勝と結果を残し、日本大学へ進みました。ここから戦績が一気に伸びていきます。早生まれのため、田中恒成や井上拓真と同じ「1995世代」に数えられる選手です。

極真空手からボクシングへ

小学2年生から5年生まで、坪井は極真空手に打ち込んでいました。

松井派の全国大会で少年の部3位という成績を残しています。ボクシングに転じたのは小学6年生で、浜松市のアマチュアジム「リード」が出発点でした。

打撃の下地は空手でつくられたことになります。

谷口将隆と京口紘人を撃破

大学1年で、いきなり全国の頂点に立ちました。

2014年11月の全日本選手権ライトフライ級で、準決勝で谷口将隆、決勝で京口紘人を続けて破って初優勝しています。2人ともその後プロで世界王者になった選手です。

大学1年生が、のちの世界王者を1日で2人倒した形でした。

全日本4連覇と20戦全勝

優勝はこれで終わりませんでした。

2015年から2017年まで3年続けて全日本を制し、合わせて4連覇を達成します。決勝の相手は3年とも柏崎刀翔でした。2017年7月には関東大学リーグ戦で4年間20戦全勝という史上5人目の記録を作り、最優秀選手賞を受けています。

アマチュア通算は106勝25敗でした。

日本初の世界選手権優勝

坪井智也が日本人初の世界選手権優勝を果たしたことを示すバナー

坪井智也の名前を決定づけたのが、2021年11月の世界選手権です。セルビアのベオグラードで行われた大会のバンタム級で優勝し、金メダルを獲得しました。日本のボクシングにとって世界選手権の金メダルは、この大会が初めてです。同じ大会でウェルター級の岡澤セオンも優勝しており、2人が同時に、日本初の世界選手権王者となりました。倒した相手の顔ぶれが、この優勝の重さを物語ります。

2021年ベオグラードの金

出場したのはバンタム級、54キロの階級でした。

坪井はこの階級を勝ち上がり、日本ボクシング史上初となる世界選手権の金メダルを手にします。自衛隊体育学校に所属していた時期にあたります。

五輪と並ぶアマチュア最高峰の大会での優勝でした。

2021年世界選手権で金メダルを獲得した坪井智也
2021年11月、ベオグラードの世界選手権表彰式。撮影:Yuuchihiro/CC BY-SA 4.0

五輪金メダリストを破る

この大会で坪井が倒した相手を見ると、実力の位置が分かります。

勝ち上がる過程で、リオデジャネイロ五輪フライ級の金メダリスト、シャホビディン・ゾイロフを破っています。ほかにもマフムド・サビルカンら世界トップクラスを退けました。

まぐれで獲れる金メダルではありません。

岡澤セオンとの2人同時

この日本初は、1人の記録ではありませんでした。

同じ大会のウェルター級で岡澤セオンも金メダルを獲得し、2人そろって日本初となっています。岡澤も1995世代の一人です。

日本アマチュアボクシングにとって、節目の大会でした。

坪井智也が届かなかった五輪

坪井智也が五輪に3大会続けて出場できなかったことを示すバナー

世界選手権を制した選手が、五輪には一度も出ていません。リオデジャネイロ、東京、パリと3大会続けて出場権を逃しています。しかもそのたびに理由が違いました。1度目は代表選考、2度目は1票差の判定、3度目は最終予選の直前に体調を崩しての棄権です。国内では負けていないのに、五輪という舞台にだけ手が届きませんでした。この10年の積み重ねを知ると、28歳でのプロ転向という決断の意味が変わって見えてきます。

リオは代表に選ばれず

最初は選考でした。

全日本を4連覇していたにもかかわらず、リオ五輪の予選代表には柏崎刀翔が選出されます。決勝で3年続けて坪井が破っていた相手でした。国際大会での経験値や戦術面が理由とされています。

国内で勝っても、代表にはなれませんでした。

東京は判定で涙

次は判定でした。

東京五輪でライトフライ級が実施階級から外れたため、坪井はフライ級へ上げます。2019年の全日本決勝で田中亮明と対戦し、2対3のスプリット判定で敗れて予選代表権を逃しました。判定への異議申し立ても認められていません。

1票差での結末でした。

パリは開幕前日に棄権

3度目は体調でした。

2023年11月に6年ぶりの全日本を制して予選代表権を得ますが、2024年3月の世界1次予選で敗退。最後の望みだった最終予選のためタイのバンコクへ入りながら、開幕前日に体調不良で棄権しています。

その2週間後、坪井はアマチュア引退を表明しました。

坪井智也のプロ4戦

坪井智也がプロ2戦目でタイトルを獲得したことを示すバナー

2025年1月、坪井は帝拳ジムからのプロ転向を発表します。2月のプロテストでは日本ボクシング史上2人目となるA級合格を果たしました。A級とは8回戦から始められる資格のことで、通常は4回戦からです。しかも実際にA級8回戦でデビューした選手は坪井が史上初でした。ここから4戦、すべてが記録か話題になっています。

史上2人目のA級合格

プロテストにはA級とB級があります。

坪井は史上2人目のA級合格者となり、いきなり8回戦でデビューしました。2025年3月13日、両国国技館でブーンルエン・ペッチナムチャイを2回2分34秒TKOに下しています。

アマチュア106勝の実力が認められた形でした。

88日でタイトル獲得

2戦目で、もうベルトを巻きます。

2025年6月8日、WBOアジア太平洋バンタム級王座決定戦でバン・タオ・トランに12回3対0の判定勝ち。プロ2戦での獲得は国内最速タイで、デビューから88日は男子の最短記録です。

男子の国際タイトルとしては、堤駿斗や西田凌佑の記録を抜きました。

元世界王者を8回TKO

3戦目の相手が、いきなり元世界王者でした。

2025年11月24日、スーパーフライ級に上げて元WBC世界スーパーフライ級王者でWBC1位のカルロス・クアドラスと対戦し、8回2分59秒TKO勝ち。しかもクアドラスは帝拳の同門です。

この勝利で一気に世界戦線へ出ました。

4戦目は無効試合

ただし4戦目は、勝敗がつきませんでした。

2026年4月11日、元世界2階級制覇王者のペドロ・ゲバラと対戦します。2回に偶然のバッティングでゲバラが失神し、2回23秒で無効試合となりました。当初は負傷引き分けとされ、後にJBCが無効試合と発表しています。

坪井のプロ戦績に「1無効試合」があるのは、この試合です。

相手はマジックマン

リカルド・マラジカが全19戦を南アフリカで戦ってきたことを示すバナー

リカルド・マラジカは1998年8月28日生まれの28歳、南アフリカのヨハネスブルグ出身です。ニックネームは「マジックマン」で、戦績は19戦17勝12KO2敗。KO率は7割を超えます。判定で組み立てる坪井とは対照的に、倒して勝ってきた選手です。10戦目までに2敗していますが、そこから9連勝。IBOという団体で2つの階級のベルトを持っています。

南アフリカから出ない男

マラジカには、大きな特徴があります。

プロ19戦のすべてを南アフリカ国内で戦ってきました。大半がヨハネスブルグ近郊のエンペラーズパレスというカジノ併設の会場です。つまり9月27日が、キャリア初のアウェー戦になります。

日本のリングは、まったく未知の環境です。

IBOで2階級のベルト

実績は決して薄くありません。

2023年9月にIBOスーパーフライ級王座を獲得し、これまで4度の防衛に成功しています。2025年3月にはフライ級へ下げてIBOフライ級王者ジャクソン・チャウケを2回KOで倒し、2階級のベルトを手にしました。

直近の防衛戦では、相手を5度倒して5回TKOにしています。

BoxRecでは拳四朗の次

格付けを見ると、マラジカの位置がよく分かります。

BoxRecのスーパーフライ級ランキングでは、2026年9月時点でマラジカが寺地拳四朗に次ぐ2位、坪井は15位です。BoxRecは世界中のプロボクシングの戦績を集めたデータベースで、4団体とは別に独自の格付けを公開しています。

実績の数字だけを見れば、格上は明らかにマラジカです。

よくある質問

坪井智也とマラジカの一戦に関するよくある質問のバナー

この一戦について、検索の多い疑問をまとめます。最も多いのはプロ4戦でなぜ世界戦なのかという質問ですが、これは坪井のアマチュア実績と、3戦目で元世界王者を倒したことが理由です。ほかにも過去の試合の配信元や、マラジカがどんな選手かなど5つを選びました。試合の日程や条件は変わることがありますので、当日は公式の案内もあわせてご確認ください。

坪井智也はどんな選手ですか?

静岡県浜松市出身、30歳のオーソドックスです。アマチュアで全日本4連覇と世界選手権優勝を果たし、2025年3月にプロデビューしました。帝拳ジム所属で、本田会長が「うちのアマ出身で最強」と評しています。

なぜプロ4戦で世界戦ができるのですか?

アマチュアの実績と、3戦目の内容が理由です。元WBC世界王者でWBC1位だったカルロス・クアドラスを8回TKOで倒したことで、一気にランキング上位へ上がりました。王座が空位になったタイミングも重なっています。

坪井智也の過去の試合はどこで配信されましたか?

プロ2戦目から4戦目までは、いずれもPrime Video BoxingとしてAmazon Prime Videoで生配信されました。デビュー戦のみU-NEXTでの配信です。

リカルド・マラジカはどんな選手ですか?

南アフリカのIBO世界王者で、19戦17勝12KO2敗のKOタイプです。ニックネームは「マジックマン」。全19戦を母国で戦っており、9月27日が初のアウェー戦になります。

9月27日はどこで見られますか?

Amazon Prime Videoの独占配信です。プライム会員なら追加料金なしで視聴できます。地上波での放送はありません。

まとめ

坪井智也の10年を経た世界挑戦をまとめたバナー

坪井智也は、アマチュアで日本人初の世界選手権優勝を果たしながら、五輪には3大会続けて届かなかった選手です。リオは選考で外れ、東京は1票差の判定で敗れ、パリは最終予選の開幕前日に棄権しました。その10年を経て、28歳でプロに転向しています。2戦目で88日というタイトル獲得記録を作り、3戦目で元世界王者を倒し、4戦目は無効試合。そして5戦目が世界戦です。

相手のリカルド・マラジカは19戦17勝12KO、BoxRecのスーパーフライ級では寺地拳四朗に次ぐ2位です。ただし19戦すべてが南アフリカ国内で、日本のリングは初めてになります。勝てば坪井は田中恒成らに並ぶ日本最速タイ記録での戴冠です。

配信はAmazon Prime Videoの独占です。プライム会員であれば追加の料金はかかりません。

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