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ボクシング・パウンドフォーパウンドとは【井上尚弥・最新ランキング】

パウンドフォーパウンドの意味と1位の井上尚弥を示すアイキャッチ(4本のベルトを抱えるおがっチャンのイラスト) ルール・基礎知識

パウンドフォーパウンド(PFP)は、ひと言でいえば全階級のボクサーの中で誰が一番強いかを決めるランキングです。体重の違う選手は直接戦えないため、記者たちが「もし同じ体重だったら」と考えて順位をつけます。いま世界で最も権威があるとされるリング誌のPFPで1位にいるのは、日本の井上尚弥。この記事では、PFPの意味と歴史、選び方、最新ランキング、歴代の1位と日本人をまとめました。

PFPの1位を争ってきたウシクが井上尚弥を祝福する場面(2025年12月、DAZN Boxing公式Xより)
この記事で分かること
  • PFPの意味と歴史
  • PFPを選ぶ機関と選び方
  • 最新のPFPランキング
  • 井上尚弥の順位の推移
  • 歴代1位とランク入りした日本人

パウンドフォーパウンドとは

パウンドフォーパウンドの意味を示すバナー

ボクシングには17の階級があり、選手は自分の体重の階級でしか戦いません。そのため、ヘビー級の王者とバンタム級の王者のどちらが強いかは、試合では決められないのです。そこで生まれたのが、体重の差がなかったら誰が一番強いかを比べるパウンドフォーパウンドという考え方でした。ここでは、言葉の意味、アメリカでの呼び方、ボクシング以外での使われ方を順に見ていきます。

体重の差をなくして比べるランキング

パウンド(pound)は、体重の単位のポンドのことです。

「1ポンドあたりで比べたら」という意味で、試合の内容、倒した相手の強さ、勝ち方などをもとに、階級を超えて順位をつけます。勝ち負けがはっきり決まる試合と違い、選ぶ人の見方で順位が変わる主観のランキングです。だからこそ、ファンの間でも議論が尽きません。

階級ごとに4団体が決める順位は、ボクシング世界ランキングで1つの表にしています。

アメリカでは「P4P」

日本では「PFP」と略すのが一般的でしょう。

一方、アメリカでは「for」を数字の「4」に置き換えて「P4P」と書くのが主流です。リング誌の公式サイトのランキングも、タブの表記は「P4P」になっています。

ボクシング以外のPFP

PFPは、ボクシングだけの言葉ではありません。

総合格闘技のUFCは2013年から、ONEは2020年から、それぞれ自前のPFPランキングを発表しています。キックボクシングやムエタイにもPFPがあります。この記事で扱うのは、ボクシングのPFPです。

パウンドフォーパウンドの歴史

パウンドフォーパウンドの歴史を示すバナー

パウンドフォーパウンドという言葉は、1940年代から50年代に活躍したシュガー・レイ・ロビンソンを称える呼び名として広まりました。当時は人気も報酬もヘビー級の王者が上で、軽い階級の名選手が正当に評価されにくかったのです。その状況から、階級を超えて実力を比べるという考え方が生まれました。ここでは、言葉の始まり、ランキングになった経緯、順位の見直し方を順に見ていきます。

シュガー・レイ・ロビンソンから始まった

始まりは、一人の名ボクサーへの賛辞でした。

ロビンソンはウェルター級とミドル級で頂点に立った選手です。リング誌はこのロビンソンを評価する称号として、1950年代に「パウンドフォーパウンド」という言葉を使ったとされています(日刊スポーツ)。今でも多くの専門家が、ロビンソンを歴代のPFP1位に推しています。

1989年にランキングに

言葉が生まれてから、ランキングになるまでには時間がかかりました。

リング誌がPFPのトップ10を発表するようになったのは1989年です。最初の1位は、当時のヘビー級統一王者マイク・タイソンでした。

大きな試合のたびに見直す

順位は、決まった時期に発表されるわけではありません。

上位の選手が戦ったり、番狂わせが起きたりするたびに、リング誌はランキングを見直します。強い相手に勝てば順位が上がり、負ければ一気にトップ10から外れることもあるのです。

パウンドフォーパウンドの選考

パウンドフォーパウンドの選び方を示すバナー

PFPは、世界に一つだけのランキングではありません。複数の機関がそれぞれに順位を発表しているので、同じ時期でも1位が違うことがあります。ただ、日本の報道で「PFP」とだけ書かれていれば、多くの場合はリング誌のランキングを指していると考えてよいでしょう。ここでは、PFPを選ぶ機関、選ぶ人、一般的に使われるランキングの順に紹介します。

主な機関は4つ

代表的なPFPは、次の4つです。

  • リング誌(米国の専門誌)
  • ESPN(米国のスポーツ局)
  • TBRB(記者による格付け団体)
  • BoxRec(戦績データの専門サイト)

どれもトップ10を発表しています。顔ぶれは似ていても、順位は機関ごとに少しずつ違うのが普通です。

選ぶのは記者たち

リング誌のPFPを選ぶのは、記者などでつくる「レーティング・パネル(選定委員)」です。

大きな試合の結果が出ると、委員が議論して順位を入れ替えます。委員には日本人の記者も加わっていて、ボクシングライターの杉浦大介さんは自身の記事で委員の一員だと明かしました(Yahoo!ニュース エキスパート)。一方のBoxRecは、人ではなく試合結果から計算式で順位を出すのが特徴です。

一般的にはリング誌

いちばん重みがあるのは、リング誌のPFPです。

リング誌は1922年に創刊された老舗の専門誌で、報道でも「最も権威がある」と紹介されます(VICTORY、日刊スポーツ)。井上尚弥や中谷潤人の順位が日本で大きく報じられるのも、リング誌のPFP。この記事の順位も、リング誌のものを使っています。

パウンドフォーパウンド最新ランキング

パウンドフォーパウンドの最新ランキングを示すバナー

リング誌の最新のPFPでは、井上尚弥が1位、中谷潤人が7位に入っています。トップ10のうち日本人は2人です。無敗の選手が8人を占め、上はヘビー級から下はミニマム級まで、さまざまな階級の王者が並びました。5月の東京ドームで戦った井上と中谷が、そろってトップ10に残っているのも見どころです。ここでは、最新の10人の表、日本人2人、配信の順に紹介します。

リング誌のトップ10

2026年10月4日時点の顔ぶれです。

順位 選手 国 階級 戦績 日本での直近の配信
1 井上尚弥 日本 スーパーバンタム級 33勝(27KO)無敗 Lemino(PPV)
2 オレクサンドル・ウシク ウクライナ ヘビー級 25勝(16KO)無敗 DAZN
3 シャクール・スティーブンソン 米国 スーパーライト級 25勝(11KO)無敗 DAZN
4 ジェシー・ロドリゲス 米国 バンタム級 24勝(17KO)無敗 DAZN
5 デビッド・ベナビデス 米国 ライトヘビー級ほか 32勝(26KO)無敗 DAZN(PPV)
6 ドミトリー・ビボル ロシア ライトヘビー級 25勝(12KO)1敗 DAZN
7 中谷潤人 日本 スーパーバンタム級 32勝(24KO)1敗 Lemino(PPV)
8 デビン・ヘイニー 米国 ウェルター級 33勝(15KO)無敗 DAZN
9 ジャロン・エニス 米国 スーパーウェルター級 36勝(32KO)無敗 DAZN
10 オスカー・コラゾ 米国 ミニマム級 15勝(12KO)無敗 DAZN
リング誌公式サイトより(2026年10月4日閲覧)。日本での配信は直近の試合(井上・中谷は2026年5月2日の東京ドーム、ほかはDAZNの選手ページで確認)

最新の順位は、リング誌の公式サイトでいつでも確かめられます。表のとおり、10人のうち8人が無敗です。ESPN・TBRB・BoxRecを含めた4機関の順位は、ボクシングPFPランキング比較で1つの表にしています。

DAZN Boxing公式「フューリー vs ウシク ハイライト」(2位のウシクが4団体を統一した試合)

DAZNでボクシングを見るプランは、主に2つです(2026年10月時点)。

  • DAZN STANDARD:月額4,200円。サッカーや野球も含めて、DAZNのすべてのスポーツが見られます。
  • DAZN GLOBAL:月額980円。ボクシングや格闘技など、一部のスポーツが見られるプランです。PPVの試合は別料金です。

STANDARDで契約するなら、DMMプレミアム(月額550円)がセットになった「DMM×DAZNホーダイ」がお得です。月額3,480円で、別々に契約する(4,750円)より1,270円安くなります。

日本人は井上尚弥と中谷潤人

日本人の2人は、同じスーパーバンタム級の選手です。

2026年5月2日の東京ドームで直接戦い、井上が判定で勝ちました。それでも中谷は激闘が評価され、7位にとどまっています(スポーツ報知)。

PFPの選手の試合はどこで見る

井上と中谷の東京ドームの試合は、LeminoのPPVで配信されました。

海外の8人は、直近の試合がいずれもDAZNで配信され、見逃し配信も残っています(2026年10月4日時点)。DAZNで選手の名前を検索すれば、過去の試合もまとめて見られます。

井上尚弥のパウンドフォーパウンド

井上尚弥のパウンドフォーパウンドの順位を示すバナー

井上尚弥は、日本人で初めてPFPの1位になった選手です。初めてトップ10に入った2016年から、強い相手に勝つたびに少しずつ順位を上げてきました。これまでに1位になったのは3回あります。ヘビー級のウシクや、ウェルター級のクロフォードと1位を争ってきた歴史でもありました。ここでは、初めての1位、順位の推移、1位を守る難しさを見ていきます。

初めての1位は2022年6月

日本のボクシングの歴史が変わった瞬間でした。

2022年6月7日、さいたまスーパーアリーナでノニト・ドネアとの再戦に2回TKOで勝つと、リング誌は井上を3位から1位に引き上げました。リング誌の約100年の歴史で、日本人が1位になったのは初めてです(日刊スポーツ)。

順位の推移

主な順位の動きを表にしました。

年月 順位 きっかけ
2016年4月 9位 初めてトップ10入り
2018年6月 5位 マクドネルを1回KOして3階級制覇
2019年11月 3位 ドネアに判定勝ちしてWBSS優勝
2020年10月 2位 2位に浮上(同じ月にラスベガスでモロニーに7回KO勝ち)
2022年6月 1位 ドネアとの再戦に2回TKO勝ち(日本人初)
2024年5月 1位 東京ドームでネリに6回TKO勝ち
2026年5月 1位 東京ドームで中谷潤人に判定勝ち
リング誌のPFPでの主な順位の動き(英語版Wikipediaのリング誌ランキングの表ほか)

9位で初めて入ってから、6年かけて1位にたどり着いています。

1位を守る難しさ

1位を守り続けるのは、簡単ではありません。

2022年と2024年には、ヘビー級のウシクが大きな試合に勝って1位を取り返しました。2026年5月に中谷潤人に勝って約2年ぶりに1位へ返り咲き、今もその座にいます。

Lemino公式「〈第1ラウンド〉井上尚弥 vs 中谷潤人」

パウンドフォーパウンドの歴代最強

パウンドフォーパウンドの歴代1位を示すバナー

歴代で最も強いボクサーは誰なのか。PFPの議論でいちばん盛り上がる話題です。比べる物差しがない以上、答えは人によって違うでしょう。それでも、リング誌の歴代の1位を並べると、時代を代表する名前がそろっています。タイソン、メイウェザー、パッキャオ、そして井上尚弥。ここでは、歴代1位の一覧、何度も返り咲いた選手、私が考える歴代最強を紹介します。

リング誌の歴代1位

1989年から今までに、17人が1位になりました。

初めて1位になった年月 選手 当時の階級
1989年9月 マイク・タイソン ヘビー級
1990年2月 フリオ・セサール・チャベス スーパーライト級
1993年9月 パーネル・ウィテカー ウェルター級
1996年4月 ロイ・ジョーンズ・ジュニア ライトヘビー級
1997年4月 オスカー・デラホーヤ ウェルター級
2000年7月 シェーン・モズリー ウェルター級
2002年1月 バーナード・ホプキンス ミドル級
2005年7月 フロイド・メイウェザー・ジュニア ウェルター級ほか
2008年6月 マニー・パッキャオ ライト級ほか
2015年9月 ローマン・ゴンサレス フライ級ほか
2017年3月 アンドレ・ウォード ライトヘビー級
2017年9月 ゲンナジー・ゴロフキン ミドル級
2018年9月 ワシル・ロマチェンコ ライト級
2019年11月 サウル・“カネロ”・アルバレス ミドル級ほか
2022年5月 オレクサンドル・ウシク ヘビー級
2022年6月 井上尚弥 バンタム級
2023年7月 テレンス・クロフォード ウェルター級
リング誌のPFP1位。2回目以降の返り咲きは省略(英語版Wikipediaの一覧より)

ヘビー級から始まり、軽い階級の選手も数多く1位に選ばれてきました。

何度も返り咲いた選手

1位は、一度取れば終わりではありません。

ウシクは4回、井上尚弥とロイ・ジョーンズは3回、1位になっています。2012年には、パッキャオの試合内容を受けて1位を空位にした時期もありました。

私の歴代最強はマイク・タイソン

私が選ぶ歴代最強は、マイク・タイソンです。

身長は178cmほどで、ヘビー級の中では決して大きくありませんでした。それなのにパンチが強すぎて、ヘビー級とは思えないほど動きが速い。単純に、見た目も怖かったです。1986年に20歳4か月でヘビー級王者になり、今も史上最年少のヘビー級王者として名を残しています。

次点は、50戦50勝で一度も負けなかったフロイド・メイウェザー・ジュニア。タイソンより前の選手は世代的に見ていないので、比べられません。

パウンドフォーパウンドに入った日本人

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リング誌のPFPトップ10に入った日本人は、これまでに6人います。最初は2015年の山中慎介で、2025年には寺地拳四朗も入りました。2020年代に入ってからは、日本人がトップ10にいるのが当たり前になりつつあります。軽い階級で世界の頂点に立つ日本人が増えたことの表れでもあるでしょう。ここでは、6人の顔ぶれ、先駆けの2人、今も入っている2人を紹介します。

歴代6人と最高位

初めて入った順に並べました。

選手 初めて入った年月 最高位
山中慎介 2015年5月 8位(2016年4月)
内山高志 2015年6月 10位
井上尚弥 2016年4月 1位(2022年6月ほか)
井岡一翔 2021年1月 9位(2021年11月)
中谷潤人 2024年4月 6位(2025年6月ほか)
寺地拳四朗 2025年3月 9位(2025年5月)
リング誌のPFPトップ10に入った日本人(英語版Wikipediaのリング誌ランキングの更新ごとの表より)

最高位は、井上尚弥の1位を除くと中谷潤人の6位が最も上です。

先駆けは山中慎介と内山高志

最初の2人は、2015年にそろってトップ10に入りました。

山中慎介はバンタム級、内山高志はスーパーフェザー級の王者で、どちらも10度以上の防衛を重ねた長期王者でした。井岡一翔は2021年、寺地拳四朗は2025年に入っています。寺地は2025年7月にリカルド・サンドバルに敗れ、トップ10から外れました。

今も入っているのは2人

今のトップ10にいる日本人は、井上尚弥と中谷潤人です。

中谷は2024年4月に初めて入り、最高6位まで上がりました。井上に敗れた今も、7位を守っています。

よくある質問

パウンドフォーパウンドに関するよくある質問のバナー

パウンドフォーパウンドについて、検索されている疑問をまとめました。順位は2026年10月4日時点のものです。

パウンドフォーパウンドとはどういう意味ですか?

体重の差がなかったら誰が一番強いかを比べる、階級を超えたランキングです。日本ではPFP、アメリカではP4Pと略します。

PFPの1位は誰ですか?

リング誌のPFPでは、井上尚弥が1位です。2026年5月に中谷潤人に勝って返り咲きました。

PFPに入っている日本人は何人ですか?

今は井上尚弥と中谷潤人の2人です。これまでに入ったことのある日本人は6人います。

PFPは誰が決めているのですか?

リング誌の場合は、記者などでつくるレーティング・パネルの担当です。ESPNやBoxRecには、それぞれ別のランキングがあります。

UFCのPFPとは違うのですか?

別のランキングです。UFCは総合格闘技の団体で、自前のPFPを発表しています。

まとめ

パウンドフォーパウンドのまとめを示すバナー

パウンドフォーパウンドは、全階級のボクサーの中で誰が一番強いかを決めるランキングです。いま世界で最も権威のあるリング誌の1位は、日本の井上尚弥です。

  • 体重差をなくして比べる
  • リング誌は1989年から
  • 選ぶのは記者の選定委員
  • 井上尚弥は1位が3回目
  • ランク入りした日本人は6人

大きな試合があるたびに、順位は動きます。井上尚弥の次の試合の後も、ランキングの動きを追っていきます。

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