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那須川天心のトレーナーは葛西裕一【なぜ粟生から交代したのか】

那須川天心のトレーナーが葛西裕一に交代したことを示すアイキャッチ(ミット打ちのイラスト) 選手情報

那須川天心のトレーナーは、いまGLOVESジム会長の葛西裕一です。2025年11月に井上拓真に判定で敗れ、キックボクシング時代から続いた公式戦の連勝が54で止まりました。その翌月、天心は転向当初から基礎を教わってきた粟生隆寛から、中学生のころにパンチを習った葛西へと指導役を移しています。組み直して最初の試合では、元2階級制覇王者のエストラーダに9回終了TKOで勝ちました。なぜトレーナーを代えたのか、組んで何が変わったのか、9月の再戦の結果までを報道をもとに整理します。

この記事で分かること
  • いまのトレーナーと前任
  • 交代のきっかけ
  • 葛西裕一の実績
  • 組んで変わったこと
  • 9月27日の再戦の結果

結論から言えば、交代のきっかけは井上拓真戦の初黒星です。まずは交代の経緯から見ていきます。

GLOVESのリングで練習する那須川天心(本人のXより、2026年6月)

那須川天心のトレーナー交代

那須川天心のトレーナーが2025年12月に交代したことを示すバナー

天心のトレーナーが代わったのは、2025年12月のことです。前月の11月24日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたWBC世界バンタム級王座決定戦で、天心は井上拓真に0対3の判定で敗れました。キックボクシングでプロデビューしてから続いていた公式戦の連勝は、54で止まっています。その翌月から指導役を務めているのが、GLOVESジムの葛西裕一会長です。ここでは、いまのトレーナーと前のトレーナー、そして交代のきっかけを順に見ていきます。

いまのトレーナーは葛西裕一

いま天心を指導しているのは、GLOVESジム会長の葛西裕一。

中日スポーツによると、天心とのコンビは2025年12月からです。所属はこれまでどおり帝拳ジムのままです。

3月31日の公開練習では、葛西と父の那須川弘幸会長の指導を、帝拳ジムの陣営が支える形がとられていました。

きっかけは井上拓真戦の初黒星

交代のきっかけは、井上拓真との最初の対戦でした。

天心は1回と2回こそ距離をとって優位に戦いましたが、3回からは拓真に圧力をかけられて主導権を渡しています。採点は111対117と112対116が2者という大差でした。格闘技のキャリアで55戦目にして、初めての黒星です。

サンスポの記事によると、天心は敗戦を機にトレーナーを変更し、「原点に返る」として葛西との新しいコンビを組みました。

初黒星の翌朝、2025年11月25日の天心の投稿(本人のXより)

前のトレーナーは粟生隆寛

交代前のトレーナーは、帝拳ジムの粟生隆寛です。

粟生は元WBC世界フェザー級とスーパーフェザー級の王者で、2020年に現役を退いています。天心がボクシングに転向した当初から、ジャブやワンツーといった基礎を徹底して教えてきたのが粟生でした。

スポーツ報知の2024年1月の記事では、天心を「間違いなく世界王者になれる素材」と評価しています。転向から世界初挑戦までの8戦を、2人で歩んだことになります。

葛西裕一はどんなトレーナー

葛西裕一が4人の世界王者を育てたことを示すバナー

葛西裕一は1969年生まれの56歳で、横浜市の出身です。現役時代は帝拳ジムに所属し、日本と東洋太平洋のジュニアフェザー級(いまのスーパーバンタム級)で王座に就きました。引退後は帝拳ジムのトレーナーとして、4人の世界王者を育てています。いまは自らのジムを持ち、キックボクサー時代の天心にパンチを教えた人物でもあります。選手として、そしてトレーナーとして、どんな道を歩んできたのかを見ていきましょう。

世界に3度挑んだ元東洋太平洋王者

葛西は横浜高校から専修大学に進み、1989年に帝拳ジムからプロデビューしました。

1992年に日本王座、1995年に東洋太平洋王座を獲得しています。世界には3度挑み、1996年のラスベガスでは王者セルメニョを追い詰めながら判定で惜敗しました。

プロでは29戦24勝(16KO)4敗1分の戦績を残し、3度目の世界挑戦に敗れたあと引退しています。

帝拳で4人の世界王者を育てた

引退後は帝拳ジムのトレーナーに転身しました。

西岡利晃、三浦隆司、五十嵐俊幸、下田昭文の4人を世界王者に育てています。2008年度にはエディ・タウンゼント賞を受賞しています。

中日スポーツは葛西を「名トレーナー」と紹介し、日米でKO勝利を重ねた西岡と三浦の名を挙げていました。

2010年、帝拳ジムのトレーナー時代の葛西裕一
2010年、帝拳ジムのトレーナー時代の葛西裕一(撮影:加賀充/CC BY-SA 3.0)

2017年にGLOVESを設立

葛西は2017年に帝拳ジムを離れ、ボクシング・フィットネスジムのGLOVESを設立しました。

GLOVESは東京都世田谷区にあり、2025年には東日本ボクシング協会に加盟しています。

天心も帝拳ジムでの練習に加えて、GLOVESでジムワークを行ってきました。

中学から続くトレーナーとの縁

天心と葛西の中学生のころからの縁を示すバナー

葛西と天心の付き合いは、今回が初めてではありません。天心がキックボクサーとして練習していた中学生のころ、パンチを教えていたのが葛西でした。天心の父で、TEPPEN GYMを率いる那須川弘幸会長とは同学年の友人でもあります。敗戦のあとに天心が選んだのは、自分をよく知る人のもとへ戻る道でした。ここからは、報道で伝えられた2人の縁を3つの点からたどってみます。

中学生のころにパンチを教わった

中日スポーツによると、天心はキックボクサーとしてジムに通い始めた中学生のころ、葛西に師事していました。

Number Webには2021年、15歳の天心のボクサーとしての才能を、西岡利晃と同じレベルの衝撃だったとする葛西のインタビューが載りました。

天心がボクシングへ転向するよりずっと前から、葛西はその素質を知っていたことになります。

父の弘幸会長とは同学年

天心の父・那須川弘幸会長は、千葉県松戸市のTEPPEN GYMを率いています。

サンスポの記事によると、葛西と弘幸会長は同学年の友人です。3月31日の公開練習では、2人が天心の指導にあたっていました。

天心は帝拳ジムでの練習に加え、毎週火曜日には古巣のTEPPEN GYMでも汗を流しています。

原点に返るための再結成

組み直した理由を、天心は「原点に返る」という言葉で表しました。

3月31日の公開練習で、天心は中日スポーツに「見えてなかった、なくしかけていたものを呼び覚ます作業をしてきた感覚です」と語っています。

有名になる前の自分を知る人たちのもとで、自分らしい動きを取り戻そうとした再結成でした。

トレーナー交代で変わったこと

トレーナー交代で変わったことを示すバナー

葛西と組んでから、天心のボクシングには目に見える変化が出ています。3月31日の公開練習ではガードの位置が高くなり、パンチの打ち方も変わりました。4月11日の再起戦では、元2階級制覇王者のエストラーダを9回終了TKOで下しています。さらに9月14日の公開練習で本人が口にしたのが「ヌルヌル」という言葉でした。報道で伝えられた変化を、4つに分けて見ていきます。

ハイガードとショートパンチ

3月31日の公開練習で目立ったのは、ガードの高さでした。

サンスポの記事によると、天心は葛西の言う「ハイガード」を意識し、これまでよりややファイター寄りのスタイルで練習していました。葛西はショートパンチを強化し、左ストレートの打ち方も変えています。

パンチを打つときは必ず踏み込み、足を止めないことも意識させているそうです。日刊スポーツの取材に葛西は、エストラーダが「形から、格好から違う」と驚くはずだと話していました。

ラウンド間は必ず座る

小さな変化もありました。

天心はこれまで、ラウンドの合間も椅子に座らず立っていることが多い選手でした。エストラーダ戦では毎ラウンド椅子に座り、次のラウンドに備えています。

試合後の会見で天心は、葛西に「絶対座れ」と怒られていたと明かしました。葛西は「なるべく消耗せず相手を倒しに行くのがボクシング」と理由を説明しています。

エストラーダに9回終了TKO

組み直して最初の試合は、2026年4月11日のWBC世界バンタム級挑戦者決定戦でした。

相手は元2階級制覇王者のフアン・フランシスコ・エストラーダです。天心は序盤から左ボディーを打ち込み、8回終了時の公開採点でジャッジ3者の支持を得ました。10回開始前にエストラーダ陣営が棄権し、9回終了TKOで勝利しています。

翌日には、エストラーダが左脇腹の肋骨を2本骨折していたと発表されました。この勝利で天心は、井上拓真への挑戦権を手にしています。

各団体での今の順位は、バンタム級の世界ランキングで一覧にしています。

節目をつくらないヌルヌル

9月14日の公開練習で天心が掲げたテーマは「ヌルヌル」でした。

本人の説明では、一瞬のスピードやキレではなく、動きに節目をつくらず、集中を切らさないまま動き続けることを指すそうです。前回の拓真戦では序盤を優位に進めながら、途中で主導権を渡しました。

天心は「途切れ途切れになると前回と一緒になる」と話しており、12回を通して集中を保つことを課題にしています。

Prime Video JP公式「Prime Video Boxing 16 那須川天心 公開練習」

9月27日の井上拓真戦

9月27日の井上拓真との再戦が判定負けだったことを示すバナー

葛西と組んで2戦目となったのが、9月27日の井上拓真との再戦です。会場は前回と同じTOYOTA ARENA TOKYOで、WBC世界バンタム級のタイトルがかかっていました。天心にとっては、10か月前に敗れた相手へのリベンジ戦でした。試合前に葛西が残した言葉と、再戦の結果、試合後の葛西の振り返りを順に見ていきます。

葛西は倒しにいく構え

9月15日、葛西は横浜市の大橋ジムで行われた拓真の公開練習を視察しました。

中日スポーツの取材に、拓真の動きを「スピードも、テンポも速かった」と評価しています。そのうえで「こちらは挑戦者で崖っぷち。天心は行かなきゃいけない」と、積極的に仕掛ける考えを示しました。

「できたら倒したいですよね」とも語り、KOを狙う姿勢をはっきりさせています。

パフォーマンスは封印

前回の拓真戦で、天心は1回の終わりに腕をぐるぐる回すポーズを見せました。

今回について天心は「もう2度と手は回せない」と話しています。葛西も「パフォーマンスはさせないです」と明言しました。

葛西は、キックは試合時間が短いので集中が切れにくいが、ボクシングに無駄な動きはいらないと説明しています。試合当日の天心は、選手紹介の間も目を閉じたままで、言葉どおりパフォーマンスを見せませんでした(スポーツニッポン)。

再戦は0対3の判定負け

再戦は12回を戦い抜き、天心は0対3の判定で敗れました。

採点は116対111が2者、114対113が1者です。7回には左ストレートで王者からダウンを奪いましたが、そのあとも拓真は主導権を渡さず、ポイントで逃げ切っています。試合はAmazon Prime Videoの独占配信でした。

ラウンドごとの流れと採点は、那須川天心vs井上拓真2の結果にまとめています。

葛西「主導権はこっち」

セコンドについた葛西は、試合後にこう振り返りました。

4回終了時の公開採点で、1人のジャッジが拓真に40対36をつけたことには「最初の4ラウンドの判定にビックリしましたね」と首をかしげています。「主導権はこっちだと思います」とも話しました(サンケイスポーツ)。

一方で、7回のダウンを耐えた拓真を「チャンピオンの精神力で、生き延びさせてしまった。さすがだと思っています」とたたえています。天心の次戦と配信は、那須川天心の次戦はいつ?で追っていきます。

よくある質問

那須川天心のトレーナーに関するよくある質問のバナー

那須川天心のトレーナーについて、検索されることの多い疑問をまとめました。回答は2026年10月6日時点の報道にもとづいています。トレーナーや陣営の体制は変わることがあるため、最新の情報は公式の発表や報道で確認してください。前のトレーナーや父との関係など、本文で触れた内容も短く整理しています。

那須川天心のいまのトレーナーは誰ですか?

GLOVESジム会長の葛西裕一です。2025年12月からコンビを組んでいます。

前のトレーナーは誰ですか?

帝拳ジムの粟生隆寛です。元WBC世界2階級制覇王者で、転向当初から天心を指導していました。

なぜトレーナーを変えたのですか?

2025年11月の井上拓真戦で初黒星を喫したことがきっかけです。天心は「原点に返る」として、中学生のころから自分を知る葛西を選びました。

父の那須川弘幸さんも指導していますか?

指導に関わっています。毎週火曜日は古巣のTEPPEN GYMで練習し、父の指導も受けていると報じられました。

葛西裕一はほかに誰を育てましたか?

帝拳ジム時代に西岡利晃、三浦隆司、五十嵐俊幸、下田昭文の4人を世界王者に育てました。

9月27日の再戦はどうなりましたか?

0対3の判定負けです。7回に王者の拓真からダウンを奪っています。試合はAmazon Prime Videoの独占配信でした。

まとめ

トレーナー交代と再戦の結果の要点をまとめたバナー

ここまでの要点を整理しました。

トレーナー交代の要点
  • 2025年12月から葛西裕一
  • きっかけは拓真戦の初黒星
  • 中学生のころからの師弟
  • ハイガードと座るインターバル
  • エストラーダに9回終了TKO
  • 9月27日の再戦は判定負け

天心は、自分を昔から知るトレーナーのもとでボクシングを組み立て直して再戦に臨み、判定で敗れました。それでも7回には王者からダウンを奪い、葛西は「主導権はこっち」と振り返っています。次の試合と配信が決まれば、那須川天心の次戦はいつ?でお知らせします。

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